
30代・40代になり「そろそろ大人っぽいファッションをしたいな」と思い、ジャッケット、Tシャツ・シャツ……と、トップスは色々変えているけど、なんだかいつもと印象が変わらない。
「どうすれば年齢に合った、大人っぽい着こなしができるのだろう」と、悩む方が少なくありません。
その原因は、トップスではなく靴にあります。
あなたが私服でいつも履いている靴は、スニーカーではありませんか?
私がコーディネートのアドバイスをするとき、いつも最初に足元を革靴にすることを提案しています。
なぜなら、着こなしの印象はトップスではなく「ボトム+靴」。つまり下半身のアイテムの選び方で9割が決まると考えているからです。
洋服のコーディネートをラーメンにたとえると、ボトムと靴は麺とスープ。トップスは煮卵やメンマといったトッピングです。麺とスープがマズければ、いくらトッピングを変えても美味しいラーメンは出来あがりません。
特に、30代・40代の大人の男性におすすめしたいのは、靴紐がついてないローファータイプの革靴です。
フォーマルやビジネスの要素が少ないローファーやスリッポンは、私服に取り入れやすいだけでなく、2025年のトレンドアイテムとしても注目されています。
この記事では、30代・40代の男性が取り入れるべき革靴を分かりやすく解説。さらに、私服に取り入れやすいおすすめの革靴を紹介していきます。
この記事を読めば、私服での革靴の取り入れ方がわかり、簡単に“大人カジュアル”な着こなしを完成させることができるでしょう。

洋服を何着も買い替えるより、たった一足の革靴でコーディネートの印象が変わります。
特に「靴紐のない革靴」は、着こなしの難易度が低いので、誰でも簡単に取り入れることができるでしょう。
革靴は着こなしを『ドレス(フォーマル)』に整える

革靴は、別名「ドレスシューズ」と呼ばれ、紳士靴の場合はビジネスや礼装用に使用される靴のことをいいます。
「ドレスシューズ」の名の通り、革靴はそれだけで着こなしをドレスアップし、大人っぽく落ち着いた雰囲気を醸し出してくれるアイテムなのです。
特に30代・40代メンズの「大人カジュアルな着こなし」を作る上では、ドレスアイテムを意識的に多めにすることがポイントとなります。
つまり、ドレスアイテムの代表である「革靴」を足元に持ってくるだけで、パーカーや、Tシャツ、チェックシャツなどのカジュアルなトップスの着こなしを簡単にドレスライクに整えてくれるのです。
革靴は「靴ひも」がないタイプを選んでみよう

そもそも、なぜ男性はプライベートで革靴を履かないのでしょうか。
その理由の一つに、「プライベートで仕事用の靴を履いていると思われたくない」という、男性特有の不安があります。
革靴は仕事で履くもの、スニーカーは私服で履くもの、というすみ分けをしている男性は少なくありません。
そこで、自信を持って革靴を私服に取り入れるために、ビジネス用革靴とカジュアル用革靴の違いを簡単に解説していきます。
フォーマル革靴の代表格はストレートチップのレースアップシューズ

ストレートチップは、写真のようにつま先部分に横に一本線が入っているデザインです。
19正世紀のイギリス王室での室内用シューズとして使用されていた歴史があり、靴の種類の中で最も格式高いフォーマルな印象を持ちます。
冠婚葬祭やビジネスで使う革靴は、靴ひもが付いているものが正統と言われているため、私服で取り入れるのは難易度が高くなります。
カジュアル用革靴の代表格コインローファー

ローファーとは、靴ひもがついてない革靴のことです。
ビジネス要素が少ないことから、カジュアル使いしやすい靴になります。
ヒモがついてない靴は簡易的な靴であり、着脱がとても楽に行こなえます。そのあため、ローファーには「怠け者」という意味もあることでも有名です。
また、ローファーは2025年のトレンドアイテムとしても注目を集めているので、今、革靴を購入するならコインローファーがいいでしょう。
カジュアルスタイルに馴染むスリッポン

スリッポンとは、スリップオン(slip-on)を意味する言葉で、足を滑らせて履くことから名付けられた靴の種類のことです。
ローファーと違い、甲部分にフリンジ・留め具などのデザインが一切ついていないことがポイント。
革靴なのでフォーマルではあるものの、カジュアルで抜けた感じのある雰囲気があるので、ローファーよりもさらに私服に馴染みやすい革靴になります。
革靴における 本革・合皮のメリットとデメリット

本革と合皮、どちらを選べばいいのか。そう迷ったときは、それぞれのメリット、デメリットを参考にして、自分の用途に合った一足を選んでみてください。
本革のメリットとデメリット
◾️メリット
・高品質:本革は天然素材のため、皮の質感や耐久性が高い
・経年変化を楽しめる:クリームを塗ったり、靴を磨いたりすることで、革に艶感や風合いが出てくる
・足にフィットする:本革は、足に合わせて伸びる性質があり、履きこむことでだんだん足に馴染み履き心地がよくなってくる
・フォルムがシャープでキレイ:足に合わせて伸びることを前提にしている本革は、シャープなフォルムで作ることができるため形が美しい
◾️デメリット
・高価格:高品質かつ、供給が限られた動物の革から作られるため、値段は高くなる
・お手入れが必要:本革は、クリームを塗るなど適切なケアが必要になる
・水分に弱い:雨などで靴が濡れたまま放置することで、シミになったり、カビが生えたりする
合皮のメリットとデメリット
◾️メリット
・値段が安い:合皮は本革に比べて一般的に安価で入手しやすい
・軽い:合皮は軽量であり、長時間の履き用に適している
・イージーケア:合皮の靴は本革よりも簡単にお手入れできます。特別なクリーニングや保湿は不要
・水に強い:化学繊維が入っているため、水などに強く必要以上にケアが必要ない
◾️デメリット
・耐久性に欠ける:合皮は本革に比べて耐久性が低く、劣化や破損が早く起こりやすい
また、クリームなどは受け付けないため、磨いたりしてもツヤ感が出るなどの変化はない
・足にフィットしづらい:合皮は本革ほど足に合わせて伸びにくいため、快適なフィット感を得にくい
・丸みがかったフォルム:合皮は伸びにくい性質のため、シャープな作りにすると窮屈な履き心地になります。そのため、見た目はややボテっとした緩やかなフォルムになってしまいます
今の合皮は、パッと見、本革と区別がつかないほど素材の質が上がってきています。とりあえず私服で革靴を試してみたいという方や、そんなに履く機会が多くない方は合皮でも十分なクオリティです。
ただ、履き心地の良さや、長く使うことを重視すると、やはり本革がおすすめです。本革は長く使えるので、合皮を何足も買い替えるよりコスパがよかったりします。
洋服ほど頻繁に買い替えることのない革靴だからこそ、本革に投資してみてはいかがでしょうか。
革靴は“黒”を選んで着こなしのバランスを整えよう

30代・40代の大人カジュアルスタイルを作るうえで大切なのが、色使いです。コーディネートの印象は、色が入れば入るほどカジュアルで子供っぽい印象になってしまいます。
そこで押さえておきたいのは、コーディネートのオススメ色使いは「モノトーン+1色」ということです。“白・黒・グレー”のモノトーン色に、1色だけモノトーン以外の色を足してあげます。
コーディネートの土台となる靴に、最もフォーマル見する黒を使うだけで、トップスやボトムでの色使いのバランスを綺麗に整えてくれるでしょう。
革靴の価格相場

革靴は洋服に比べると、どうしても値段は高くなってしまいます。それは、レザーや製法など、革靴は製造原価が洋服よりも高くなってしまい、価格を下げることが難しいからです。
洋服は「絶対に高い方がいい」と思いませんが、革靴は「高ければ高い方がいい」というのが正直なところ。なぜなら、レザーの質感・細やかな製法などの良し悪しが、見た目にもモロに反映されるからです。
このことを踏まえて、リアルな価格相場として2万円以上の革靴をおすすめします。
おすすめの革靴ブランド4選
ここからは、おすすめの革靴ブランド4選を紹介していきます。
1万円〜2万円前後のお手頃な革靴は、「HARUTA(ハルタ)」と「PADRONE(パドローネ)」。
3万円以上の本格的な革靴は「G.H.BASS (ジーエイチバス)」と「Jalan Sriwijaya (ジャランスリウァヤ)」をおすすめします。
HARUTA(ハルタ) スポックシューズ

学生靴メーカーで有名なHARUTA(ハルタ)の名品「スポックシューズ」。お医者さんが、楽に脱ぎ履きするための院内履き用シューズとして作られたことから、別名「ドクターシューズ」とも呼ばれています。
こちらは、本革でありながら1万円程度の価格で購入できる、コスパ抜群の一足。スリッパと革靴の中間のような、使い勝手のいいデザインが最大の魅力です。
また、薄くて軽いレザーを使用していながら、とても丈夫な作りになっているのも嬉しいポイント。
一点だけ難点は、サイズ選びがとても難しいこと。普段履いているスニーカーサイズより、1センチ〜1.5センチ小さいサイズを選ぶことを推奨します。

PADRONE(パドローネ)ARCOLETTA ルシオ

東京初の革靴ブランドPADRONE(パドローネ)。東京の下町に工房を置き、一足一足を丁寧にハンドメイドで制作した逸品です。まさに職人技を感じることができる一足と言えるでしょう。
PADRONE ARCOLETTA ルシオは、ソールが柔らかく、歩きやすさにこだわったタイプのコインローファーです。革靴なのにカジュアル見えするデザインは、どんなコーディネートにも自然に馴染んでくれます。
品質、デザイン、履き心地、全てにおいて間違いのないブランド。このクオリティで2万円台の価格は、他ではありえません。
G.H.BASS(ジーエイチバス) ローファー LOGAN (ローガン)

1876年、アメリカ・メイン州で設立された老舗シューズブランド「G.H.BASS(ジーエイチバス)」。ノルウェーの木こりが履いていたスリッポンをヒントに、世界で初めてローファー「Weejuns(ウィージャンズ)」を開発したことで広く知られています。
そのG.H.BASSの代名詞とも言えるモデルが「LOGAN」です。
季節を問わず、ボトムのデザインを問わずに履けるため、一足持っていると便利な定番ローファーと言えるでしょう。
Jalan Sriwijaya (ジャランスリウァヤ) ローファー レザーソール

2003年、インドネシアで創業したファクトリーブランド「Jalan Sriwijaya (ジャランスリウァヤ)」。高級素材と手間のかかる製法を用いながら、驚異的なコストパフォーマンスを実現し、日本でも高い人気を誇るブランドです。
こちらは、ジャランスリウァヤの中でも特に人気の高い定番ローファー。本格的な作りの革靴を比較的手頃な価格で手に入れたい方にとって、最適な選択肢の一つとなるでしょう。
簡単にできる革靴のお手入れ方法

最後に、自宅でも簡単にできるシューズケアを紹介しておきます。
靴磨きは、良質な革靴を長く履き続けるためには避けては通れない作業です。
1.ブラッシングで靴についたホコリを落とす
2.クリーナーで汚れを落とす
3.シューズクリームを塗る
4.ブラッシングでクリームを靴全体に馴染ませる
5.シュークロスで仕上げ磨きをする
靴磨きの頻度は、月に1度、もしくは10回の着用ごとに1度が理想的です。
革靴をしっかりケアしていくことで、靴が長持ちするだけでなく、自分だけの経年変化を楽しめます。

「靴磨きをする時間がない」、「靴磨きの道具を揃えるのは面倒」という方には、靴の宅配クリーニングという、便利なサービスもありますので利用してみるのもいいでしょう。
まとめ

今回は、30代・40代男性のコーディネートを整えてくれる、紐のない革靴を解説してきました。
着こなしに「ドレスの要素」を入れてくれる革靴は、大人カジュアルなスタイルを作るための重要アイテムです。
ドレスアイテムの代表である「革靴」を足元に持ってくるだけで、パーカーや、Tシャツ、チェックシャツなどのカジュアルなトップスの着こなしを、簡単にドレスライクに整えてくれます。
ポイントは、私服にビジネスの雰囲気を持ち込まないよう、ローファーやスリッポンといった「靴ひものない革靴」をコーディネートに取り入れることです。
革靴は2025年のトレンドアイテムの一つです。足元にトレンドを取り入れて、30代・40代らしい大人のオシャレを楽しんでみてください。