
2025年のトレンド「クラシカル」は、ラフすぎない上品なスタイルへの回帰。その流れの中で、普段着にも取り入れやすい革靴が注目を集めています。
特に、革靴の中でもカジュアルテイストが強いローファーやスリッポンなどの“靴ひものない”タイプがマストアイテムです。
しかし、男性が履き慣れた革靴といえば、“レースアップ(靴ひも有り)タイプ”の革靴。ローファーやスリッポンは履いたことがなく、難易度が高いと思っている方も少なくありません。
そこで、この記事で紹介したいのは「レースアップタイプの革靴」です。
ビジネスやフォーマルのイメージが強く、「どれを選べば普段使いできるのか分からない…」という方にも分かりやすく、「レースアップタイプ革靴」の選び方を徹底解説。さらに、おすすめのレースアップモデル8選を紹介します。
この記事を読めば、自分のスタイルに合う一足が見つかり、簡単に日常のコーディネートが洗練されるはずです。
今「革靴」が、カジュアルスタイルに最適な理由

なぜ今、これほどまでに革靴が注目されているのでしょうか。その背景には、ファッション全体の大きなトレンドの変化があります。
2025年のファッショントレンドは、品格のある「クラシカル」なスタイルへと回帰しています。この流れを受け、長く続いたスニーカーブームも落ち着きを見せ、ファッション感度の高い大人の足元はスニーカーから革靴へと移り変わりました。
一方で、男性が普段着で革靴を履く割合は15%程度と言われており、スニーカーを履く人の割合が多いのも現実。そこで考えて欲しいのは、「オシャレの定義」です。
オシャレとは「みんなと何かが違うこと」。つまり、みんなと同じであれば普通であるといえます。
ただし、みんなと違うというのは、デタラメな着こなしをするのとは違います。ポイントは、「客観的に見て、誰もが理解できる範囲の中で違う着こなしをする」ということ。
だからこそ、多くの人が理解できて、みんなとなにかが違う「トレンドアイテム=革靴」を身につけることで簡単にオシャレが作れるのです。
さらに、革靴は単なるトレンドアイテムというだけではありません。そもそも革靴は、スーツスタイルに欠かせないフォーマルなアイテムです。そのため、たとえTシャツにデニムといったカジュアルな着こなしでも、足元を革靴に変えるだけで全体のバランスを品よく整え、一気に“大人”の雰囲気を演出できます。
トレンド感を出しつつも、着こなしを大人のスタイルに格上げし、さらに、手入れをすれば長く愛用できる一生物のアイテム。これが、大人の男性が今、革靴を選ぶべき最大の理由なのです。
カジュアル革靴初心者は「レースアップ」から選んでみよう!

「理屈はわかったけど、やっぱり普段着に革靴を取り入れるのはハードルが高い…」
そう感じる方も多いでしょう。
そこで、最初の一足として強くおすすめしたいのが「レースアップ(靴ひも付き)タイプの革靴」です。なぜなら、革靴が持つ「ドレス感」と、初心者が求める「気軽さ」を両立できる、最も優れたデザインだからです。
1.スニーカー感覚で自然に履ける
ローファーやスリッポンは、カジュアル使いしやすい革靴としてベストな選択肢ですが、合わせるパンツの丈感やソックスの種類・デザインなど、考えるべきバランスが多くやや上級者向け。
その点、レースアップ革靴は、履き慣れたスニーカーと似たボリューム感やシルエットのものを選べば、いつものコーディネートにすんなり馴染んでくれます。さらに、ローファーやスリッポンタイプよりもフォーマルなデザインになっているため、より洗練された着こなしが完成するのです。
2.多くの男性が履き慣れている安心感
ビジネスや冠婚葬祭など、キチンとした場面で履く革靴は基本的にレースアップタイプです。そのため、多くの大人の男性が一度は履いたことがあるデザインであり、「見慣れたカタチ」と言えるでしょう。
一方、ローファーやスリッポンといった「靴ひものない」革靴はどうでしょう。革靴の中でもカジュアル寄りのデザインとなるため、スーツスタイルで取り入れている方は少ないはず。もしかすると、これまで一度も履いたことがないという方も多いのではないでしょうか。
つまり、多くの男性にとって、レースアップタイプの方が履き慣れたデザインであり、抵抗感なく日常に取り入れることができるのです。
3. サイズ選びで失敗しにくい
ブランドや木型(ラスト)によってフィット感が大きく異なる革靴選びにおいて、サイズ感は最も重要な生命線です。特に、本革のモデルはシャープな作りになっているので、最初は窮屈に感じることもあるでしょう。
レースアップタイプであれば靴ひもを締めたり緩めたりすることで甲周りのフィット感を細かく調整可能。高価な買い物で最も避けたい「買ったけど足に合わない…」というリスクを最小限に抑えることができます。
これだけ押さえればOK!カジュアル革靴の「デザイン」の見分け方

多くの大人の男性が、プライベートでスニーカーを履く理由の一つに、「仕事用の靴を普段も履いていると思われたくない」という心理状況があります。
しかしこれは、フォーマル用・ビジネス用の革靴と、カジュアル用の革靴の見分け方が分かれば、簡単に解消できるのです。
ここでは、自分でカジュアルな革靴を選べるようになるための、たった2つのポイントを解説します。これさえ覚えれば、仕事とプライベートでの革靴の使い分けができるでしょう。
ポイント①:「羽根」のデザインで選ぶ

「羽根」とは、靴ひもを通すパーツのこと。この形状でフォーマル度が大きく変わります。
- 内羽根式 (Oxford / Balmoral)|フォーマル向け
羽根が甲と一体化、もしくは内側に入り込んでいるデザイン。見た目がスッキリと上品で、冠婚葬祭や格式の高いビジネスシーンで履くべき靴とされています。 - 外羽根式 (ダービー / Blucher)|カジュアル向け
羽根が甲の上に乗っかっているデザイン。羽根が大きく開くため着脱しやすく、見た目にもやや武骨でアクティブな印象を与えます。休日のジャケパンスタイルやきれいめカジュアルに最適な、普段使いの主役です。
ポイント②:「つま先」のデザインで選ぶ

つま先のデザインは、靴の“顔”とも言える重要なパーツです。
参考写真の左から、「ストレートチップ→プレーントゥ→Uチップ」となります。それそれを詳しくみていきましょう。
- ストレートチップ|フォーマル向け
つま先に横一文字の切り替え線が入った、最もフォーマル度が高いデザイン。ビジネスや冠婚葬祭の基本となる靴なので、カジュアル使いにはあまり向きません。 - プレーントゥ|高い汎用性
つま先に装飾が一切ない、ミニマルで洗練されたデザイン。フォーマル度は高いですが、そのシンプルさゆえにビジネスからカジュアルまで最も幅広く使えます。汎用性が高くどんな服装にも合うため、最初の一足として間違いのない選択です。 - Uチップ/Vチップ|カジュアルの定番
甲の部分にU字やV字のステッチ(縫い目)があるデザイン。元々は狩猟やゴルフで使われたカントリーシューズが起源で、装飾性があり程よくカジュアルな印象を与えます。デニムや軍パンといったタフなパンツとの相性は抜群です。
【結論】
普段使いのカジュアル革靴を探すなら「外羽根式のプレーントゥ、またはUチップ」から選ぶのが正解です。
【2025年最新版】カジュアルにおすすめのレースアップ革靴8選!

ここからは、先ほどの選び方を踏まえ、大人の男性におすすめしたい定番・人気のレースアップ革靴を8モデル厳選してご紹介します。
どれも長年愛され続ける、間違いない名品ばかりです。
[パラブーツ] オックスフォード CHAMBORD (シャンボード)

Uチップの代表格であり、まさに「キング・オブ・カジュアルシューズ」と呼ぶにふさわしい一足。 ぽってりとした丸みのあるフォルムはフランス靴ならではのデザインで、どこか愛嬌を感じさせます。
アッパーには油分を豊富に含み、雨に強い「リスレザー」を使用。 さらに、登山靴にも用いられる堅牢な「ノルヴェイジャン製法」で仕立てられているため、天候を気にせずタフに履けるのが最大の魅力です。
デニムや軍パンといったカジュアルスタイルから、きれいめのジャケパンスタイルまで、あらゆる着こなしを格上げしてくれる万能な一足です。
[Danner] ダナー ポストマンシューズ

その名の通り、アメリカの郵便配達員のために作られたサービスシューズがルーツ。 長時間、長距離を歩いても疲れにくいように設計された、スニーカーのような快適な履き心地が最大の魅力です。
アッパーには肉厚で美しい光沢のあるガラスレザーを使用し、ビジネスシーンにも対応できるクリーンな見た目を実現。 ソールには衝撃吸収性とグリップ力に優れたダナーオリジナルの「ダンキャットソール」を採用しており、雨の日でも滑りにくく安心です。
シンプルなプレーントゥデザインはどんな服装にも合わせやすく、まさに「革靴初心者の一足目」として最適なモデルと言えるでしょう。
[ウィールローブ] モックトゥ ワインハイマー

2015年に日本でスタートした、実力派シューズブランド「WHEEL ROBE」。 アッパーには、名だたる高級紳士靴ブランドも使用するドイツの名門タンナー「ワインハイマー社」のボックスカーフを採用しています。
キメが細かく、しなやかで上品な艶を持つこのレザーは、足馴染みが非常に良いのが特徴です。 Uチップの顔となるモカシン縫いは職人の手縫いによるもので、丁寧な仕事ぶりが伺えます。
アメリカンな雰囲気と日本製の精緻な作りが融合した、まさに大人のためのUチップシューズ。ドレッシーさとカジュアル感のバランスが絶妙で、上品なスタイルを目指す方にぴったりです。
[クレマン] デッキシューズ モカシン ドナト

フランス軍や消防署にも納入実績のある、実力派ファクトリーブランド「KLEMAN」。 この「DONATO」は、デッキシューズのような軽快さと、Uチップの程よいボリューム感を両立したモデルです。
しっとりと柔らかいレザーアッパーと、クッション性に優れたインソール、そしてグリップ力と耐久性に優れたラバーソールにより、快適な履き心地を実現しています。
フランス製でありながら、高いコストパフォーマンスも大きな魅力。どこか上品でエスプリの効いたデザインは、夏のショーツスタイルから秋冬のウールパンツまで、季節を問わず活躍してくれます。
[サンダース] ミリタリー ダービーシューズ

1873年創業、英国国防省(MOD)へのオフィシャルサプライヤーとしても知られるイギリスの名門「サンダース」。 このミリタリーダービーシューズは、実際に軍に納入されていた士官靴(オフィサーシューズ)をベースに、日本人の足型に合わせて改良された日本限定コレクションです。
特徴的なのは、つま先と羽根部分に施された「トリプルステッチ」。ミリタリー由来のタフさと、質実剛健なブランドの姿勢を物語ります。
アッパーは上品な光沢を放つポリッシュドレザーで、手入れが簡単なのも嬉しいポイント。 ソールはグリップ力に優れたコマンドソール仕様で、雨の日でも安心です。 武骨さと気品を兼ね備えた唯一無二の存在感で、ミリタリーパンツやデニムとの相性は言うまでもありません。
[ジャランスリウァヤ] プレーントゥ ダイナイトソール 98651

「高級靴に引けを取らない品質を、驚きの価格で」を体現するインドネシア発のブランド。 このプレーントゥ「98651」は、ブランドを代表する人気モデルです。
アッパーにはフランスの名門「デュプイ社」のトップグレードカーフを使用し、しなやかで美しい艶を放ちます。 製法は、時間と手間がかかる「ハンドソーンウェルテッド製法」を採用。これにより、履き始めから返りが良く、履くほどに自分の足に馴染む極上のフィット感が得られます。
ソールは、グリップ力と耐摩耗性に優れ、ビジネスシーンにも対応できる英国製「ダイナイトソール」を装備。ドレッシーさとカジュアルさのバランスが絶妙で、オンオフ問わず活躍する万能プレーントゥです。
[ハルタ] ポストマンシューズ ビブラムソール

「学生靴のハルタ」と侮ってはいけません。 長年日本人の足と向き合ってきたハルタが作るポストマンシューズは、驚くほどのコストパフォーマンスを誇ります。
アッパーには艶の美しいガラスレザーを使用し、革靴らしい上品さを演出。 ソールには、軽量性・クッション性・グリップ力に優れたイタリア「ビブラム社」の定番ソールを採用しており、スニーカーさながらの軽快な歩行をサポートします。
本格的な革靴は少しハードルが高いと感じる方や、雨の日でも気兼ねなく履けるセカンドシューズを探している方に最適。まさに「革靴入門」にうってつけの一足です。
【 ARCOLLETTA PADRONE 】 ダービー ダンスシューズ

日本の職人技術と、現代的で洗練されたデザインが融合した人気ブランド「PADRONE」。 その中でも、より日常使いしやすく、コストパフォーマンスに優れたラインが「ARCOLLETTA PADRONE」です。
このダービーダンスシューズは、革靴の上品さとスニーカーのような軽やかな履き心地を両立させた定番モデル。 アッパーにはたっぷりとオイルを含ませた柔らかなレザーを使用し、履き始めから足に優しくフィットします。
最大の特徴は、踵に芯材を入れていないこと。これにより、踵を踏んでサンダルのようにラフに履くことも可能です。
ミニマルでシャープなシルエットは、きれいめなスラックスからモードなスタイリングまで幅広く対応。革靴の窮屈さが苦手な方にも、ぜひ試してほしい一足です。
まとめ

カジュアルスタイルに革靴を取り入れることで、普段着が一気に大人っぽく洗練されます。特に、初心者は「レースアップタイプ」から選べば失敗しにくく、履き慣れた感覚で日常に取り入れられます。
本記事のポイントは、以下の通りです。
- 2025年はクラシカル回帰で革靴人気が再燃
- 普段使いには「外羽根式」や「Uチップ/プレーントゥ」がおすすめ
- ビジネス用とカジュアル用は羽根・つま先のデザインで見分けられる
- レースアップタイプはサイズ調整がしやすく、履き心地の失敗が少ない
自分のスタイルや用途に合った一足を選べば、長く愛用できる相棒になります。ぜひ、スニーカー感覚で革靴を取り入れ、大人の足元を楽しんでみてください。