
「周囲からファッションがダサいと言われる」、「何を着てもイマイチ決まらない」そんな悩みを持つ人は少なくありません。
しかし考えてみてください。「ダサい洋服を販売しているアパレルショップがいけないのではないか?」と、思いませんか。
つまり、アパレルショップが、イケてる、カッコいい洋服だけを販売していれば、誰でもオシャレになるはずです。
実際、アパレルショップには選び方次第で“ダサ見え”してしまうアイテムがたくさんあります。特に、老若男女、多くの方が利用するショッピングモール系のアパレルショップにおいて、この傾向が強くみられます。
もちろん、ファッションはトレンド感や着こなしバランス、色使いなどさまざまな要素が組み合わさることで成立するものであり、決してその一点のアイテムが悪いからとは限りません。
ただ、できれば、せっかく購入する洋服で“ダサ見え”するのは避けたいものです。
そこで今回は、“ダサい洋服”を選ばない方法と、賢い洋服選びのコツを徹底解説していきます。
さらに、アパレルショップの裏側にも迫っていきますので、ぜひ最後まで楽しんでご覧ください。
この記事を読むことで、洋服選びのレベルが上がり、後悔しないお買物ができるようになるでしょう。
“ダサい洋服”を選ばないために知っておきたい「オシャレ」の定義

本題に入る前に、まずは「オシャレ」の定義をハッキリさせておきましょう。
オシャレとは、「まわりと何かが違うこと」です。
つまり、普通(=大多数)とは違う着こなしをしている人たちのことを指します。
ただし、みんなと違うというのは、“デタラメ”に洋服を身につけることではありません。
ポイントは、「客観的に見て、誰もが理解できる範囲の中で違う着こなしをする」ということです。
着こなしをオシャレにするための、具体的な例をいくつか挙げてみます。
- トレンドアイテムを取り入れる
- ドレスライクなアイテムと、カジュアルライクなアイテムのバランスを整える
- 上半身と下半身のシルエットを整える(Iライン・Aライン・Vラインなど)
- 色合わせの基本を押さえている(モノトーン+一色・色数を3色以内に抑えるなど)
これらのポイントを意識的に取り入れて、洋服を購入し、コーディネートを組み立てている男性がどれだけいるでしょうか。おそらく、ごく少数の割合のはずです。
別の言い方をすると、多くの男性はオシャレになるポイントを押さえずに、洋服を購入しているということになります。
ここまでの内容を前提条件とし、次の章からは「なぜアパレルショップで、ダサく見えてしまう洋服が売られているのか」を解説していきます。
“ダサく見えてしまう”洋服がアパレルショップ売られている理由

まず、最初に伝えておきたいのは、「お客様をダサくしたい」と思っているアパレルショップは存在しないということ。
全てのアパレルショップが「ファッションを介して、お客様に満足してほしい」、「お客様をオシャレにして喜んでほしい」と思っているはずです。
では、なぜアパレルショップには「ダサく見えてしまう洋服」が売られているのでしょうか。
ここでは、その2つの理由を解説していきます。
- 多くのお客様をターゲットとした洋服販売をしているから
- 昨年ベースの商品作りをしているから
それでは、それぞれをみていきましょう。
多くのお客様をターゲットとした洋服販売をしているから

まず一つ目の理由は、オシャレにそれほど関心のない、大多数の人に向けた販売をしているからです。
前述した通り、「オシャレとはまわりと何かが違うこと」。
仮に100人中20人がオシャレと言われる人であれば、80人はオシャレではない人たちということになります。
では、どんな人をターゲットに商売をすると、多くの洋服が売れるのでしょうか?
答えは簡単です。人数の割合が多い、「オシャレではない人」に商品提案したほうがいいに決まってます。
特に、比較的安価なアイテムを取り揃えるショッピングモール内に建ち並ぶショップでは、お客様のお買い上げ人数を伸ばすことが重要視されるのです。
また、この後詳しく解説していきますが、ファッションリテラシーが高い人と、ファッションにそれほど関心がない人とでは、購入したい(=満足できる)と思うアイテムが全く異なります。
つまり、幅広い年齢層の人が訪れるショッピングモール系のアパレルショップは、オシャレに関心がない人の購買意欲が高まるアイテムを販売することで、お客様ニーズを満たしているのです。
昨年ベースの商品作りをしているから

もう一つの理由は、アパレルブランドが新作商品を作る際、昨年売れていたアイテムデータを軸にするからです。
基本的にアパレル業界は売上前年比100%に強くこだわる傾向にあります。
そして、その売上基準の土台を作る商品が、「ベーシックアイテム」と「昨シーズンの売れ筋アイテム」です。
トレンドの影響を受けにくいベーシックアイテムと、昨年多くのお客様に購入された売れ筋アイテムは、大きく売上を落とすことはありません。人は見慣れたものに安心感を覚えるため、昨年売れたデザインが今年も売れやすいからです。
しかし、昨シーズン売れた商品ということは、徐々に変化していくファッショントレンドから離れたデザインになっていくということ。特に、「トレンドとは関係ないデザインアイテム」は、昨年と同じデザインで素材を変えてみたり、新色を作ってみたりしてアップデートしながら毎シーズン店頭に並びます。
そして、「そのアイテムがまた売れる→この売上を軸に商品開発をする→翌シーズンも“同じようなアイテム”が店頭に並ぶ→そのアイテムがまた売れる→・・・」
この循環が繰り返されていくうちに、オシャレな着こなしをする上で最も大切な「トレンド」から、かけ離れたアイテムがアパレルショップで売られることになるというわけです。
なぜ“ダサい洋服”を選んでしまうのか?思考傾向と対策を解説

では、なぜファッションに関心がない人ほど、トレンド感のないデザインアイテムを選んでしまうのでしょうか。
ここでは、その思考の傾向と、お買い物する時の対策を紹介していきます。
どれも簡単に実践できるお買い物方法になるので、ぜひ試してみてください。
デザイン(色・柄)のある洋服がオシャレだと思ってしまっている
ファッションは、アイテムの組み合わせと、全体のバランスで着こなしの良し悪しが決まります。つまり、1点のみでオシャレになれるアイテムはありません。
しかし、ファッションに対する関心が低い人は、“1点勝負”に出てしまう傾向にあります。
「このTシャツを着ておけばオシャレに見えるだろう」と、いった感じで、色や柄、デザインに特徴のあるアイテムに手を出してしまうのです。
例えば、以下のようなフェイクレイヤードのカットソーが代表的なアイテムと言えるでしょう。

このような、一見「手っ取り早くオシャレな着こなしになりそう!」と思わせるアイテムを身につけただけで、逆に、コーディネートの難易度は一気に上がってしまいます。
繰り返しになりますが、オシャレな着こなしをするには「アイテムの組み合わせと、全体のバランスを整えること」が必要です。トレンドやバランス、色合わせを無視した着こなしによってオシャレになることはできません。
どうしても無彩色(白・黒・グレー)以外のカラーアイテムや、チェックやストライプなどの柄物、フェイクレイヤードなどのデザインアイテムを着用したい場合は、それ以外のアイテムを無彩色かつ無地のアイテムで揃えるといいでしょう。
ファッション初心者であっても、「無彩色+一色」を心がけたコーディネートをすることで、着こなしレベルは格段にアップします。
特に、コーディネートの印象は、7〜8割が下半身(ボトム・シューズ)の組み合わせで決まると言われるので、アイテム選びは下半身からスタートさせてみてください。
お店の商品陳列戦略にハマっているから
では、これらのトレンドとは関係のないデザインアイテムがお店のどこに並んでいると思いますか?
答えは、ファサードと言われる、お店の入口にあたるスペースです。
アパレルショップの多くは、お店の中で一番目立つこの場所に、ボリューム感をつけて商品を陳列します。
なぜかというと、老若男女、ファッションに興味がある人にもない人にも、商品を購入してほしいからです。
前述した通り、アパレルショップは前年売上確保のために、昨シーズンの売れ筋アイテムデータを軸にした新作商品を作ります。
そして、それらの商品はファッションにそれほど興味のない“大多数の人”の目に止まるように、お店のファサードに陳列されていくのです。
逆に、トレンド感の強いアイテムは、少数のファッションリテラシーが高い方に向けて、店内の一角で陳列される傾向にあります。
お店に入ったときは、ファサード部分を抜けて、次に目に止まった場所に陳列されているアイテムを気にしてみてください。マネキンなどを使って、トレンドが一目で伝わるように表現されているはずです。
また、絶対に“ダサく見えるアイテム”を購入したくないという方は、自分以外の“誰かに洋服を選んでもらう”こともおすすめです。
客観的目線で洋服を選んでもらうことによって、お店の陳列戦略に惑わされないお買物ができるでしょう。
自分にトレンドアイテムは似合わないと思っている
まず大前提として、トレンド感のない着こなしで、オシャレなコーディネートを作ることはできません。
別の言い方をすれば、コーディネートにトレンド感のあるアイテムを取り入れるだけで、オシャレな着こなしを作れます。
しかし、ファッションにそれほど関心のない方は、トレンドアイテムに対し以下のような思考になってしまいます。
- 「トレンドアイテムは自分には似合わないし…」
- 「トレンドアイテムは、若い人が着るものでしょ」
- 「今までトレンドアイテムを着たことがないし…」
そして、トレンドよりも自分の好みを優先し、結果的に、前述した「トレンドとは関係ないデザインアイテム」に手を出してしまうのです。
断言しますが、自分に似合わない洋服など存在しません。
なぜなら、ファッションは「アイテムの組み合わせと、全体のバランスを整えること」で成立するからです。
例えば、「身長が低いからワイドパンツは似合わない」という声をよく聞きますが、身長が低い女性がワイドパンツを履きこなせているのはなぜですか?
それは、ワイドパンツに合わせたトップスやアウター、小物を使ってバランスを整えているからです。
身長や体型、年齢は関係ありません。
繰り返しますが、ファッションはアイテムの組み合わせと、全体のバランスを整えることです。そのアイテム1点だけを見て、似合うも似合わないもないのです。
今までトレンドアイテムを敬遠し、トレンドとは関係のないデザインアイテムを選んできたのであれば、次回のお買い物はトレンドアイテムに挑戦してみましょう。
ちなみに今年のトレンドテーマは「クラシカル」です。
着こなしに取り入れてみてほしい、代表的なアイテム、カラー、シルエットは以下の通りです。
- セットアップ
- オープンカラーシャツ
- ポロシャツ(特にニットポロ)
- ワイドパンツ
- 革靴
- ビッグシルエット(ショート丈)
- シアー素材
- リネン素材
- ブラウン・カーキカラー
これらのトレンドキーワードを意識して、今年はトレンドアイテムに挑戦してみてはいかがでしょうか。
きっと、思っているよりも簡単にオシャレな着こなしができるはずです。
まとめ

今回は、30代・40代のメンズが、“ダサ見えする洋服”を選ばないための方法を徹底解説してきました。
「ダサい洋服を選ばない」ためには、ファッションの基本を理解し、購入時の思考を見直すことが重要です。以下のポイントを押さえましょう。
オシャレとは「まわりと何かが違うこと」
- トレンドアイテムを適度に取り入れる
- バランスやシルエットを意識する
アパレルショップに“ダサく見える”洋服が売られている理由
- 多くの人をターゲットにした、トレンドとは関係ないデザインが受け入れられているため
- 昨シーズンの売れ筋を軸に商品開発がされるため
“ダサい洋服”を選ばないための対策
- 「1点勝負」でなく、全体のバランスを意識する
- ショップの陳列戦略に惑わされず、店内奥のトレンドアイテムもチェックする
- 「トレンドは自分に似合わない」という固定観念を捨てる
ファッションは組み合わせとバランスが大切です。今年のトレンドを取り入れつつ、自分に合った着こなしを見つけてみましょう。