
愛犬がシニア期を迎え、ゆっくりと横になっている時間が増えてきた…。
老犬の介護を始めたとき、「床ずれ」という言葉にドキッとしたことはありませんか?
実は、犬も人間と同じように床ずれ(褥瘡)を起こしてしまうことがあるのです。
我が家の愛犬(キャバリア)は、年齢とともに後ろ脚が弱り、14歳でとうとう歩けなくなってしまいました。
その時、獣医師から「寝たきりの子には床ずれの危険性がある」と聞き、初めてその深刻さを知ったのです。「絶対に床ずれだけは作らせない」その一心で、毎日の介護生活が始まりました。
この記事では、なぜ老犬が床ずれになりやすいのか、そして、どうすれば防げるのかという基本的なケアから、僕が購入を決めた「PEPPY アルテア体圧分散マット」について、レビューします。
末長く愛犬との穏やかな時間を過ごしたいと願う飼い主さんは、ぜひ最後までお読みください。

我が家の愛犬ジャック(キャバリア)は、14歳の頃から歩けなくなり、16歳5ヶ月で虹の橋を渡りました。
歩けなくなったジャックの床ずれ対策は、「基本的なケア」と、「体圧分散マット」の使用。
介護生活となった約2年間で「床ずれ」の症状はあらわれず、穏やかな暮らしを送れました。
老犬が床ずれになりやすい原因とは?シニア犬特有の3つの理由

「床ずれ(褥瘡)」とは、長時間同じ体勢で寝続けることで、体の特定の場所に圧力がかかり続け、その部分の血行が悪くなって皮膚や皮下組織が壊死してしまう状態です。
若い頃は自分で寝返りを打てた愛犬も、シニア期になるとさまざまな理由から床ずれのリスクが高まります。
体重を支える筋力の低下
犬も人間と同じように、年を重ねると筋肉量が減少します(サルコペニア)。特に大型犬は自重があるため、自分の体を持ち上げたり、寝返りを打ったりする筋力が衰えがちです。
これにより、一度横になると同じ姿勢でいる時間が長くなり、床ずれの直接的な原因となります。
皮膚の弾力と血行の悪化
シニア犬の皮膚は、新陳代謝の低下により薄く、弱くなりがちです。クッションの役割を果たす皮下脂肪も減少し、骨がゴツゴツと浮き出てきます。
さらに、加齢に伴い心臓のポンプ機能も衰え、全身の血行が悪化します。このような弱い皮膚と血行不良が重なると、わずかな圧迫でも組織がダメージを受けやすくなってしまうのです。
「寝たきり」がもたらす避けられないリスク
床ずれのリスクは、「圧力 × 時間」で決まります。つまり、体重が重いほど、そして寝ている時間が長いほど、リスクは高まります。
これは、どれだけ愛情を注いでいても避けられない、物理的な問題です。飼い主さんの努力だけではカバーしきれない現実が、老犬介護にはあるのです。
老犬の床ずれを防ぐために実践した3つの基本ケア

床ずれは一度できてしまうと治りにくく、愛犬に大きな苦痛を与えます。だからこそ「予防」が何よりも重要です。
ここからは、僕が「絶対に床ずれを作らない」ために徹底したケアをご紹介します。
最重要!2〜3時間おきの「寝返り(体位変換)」
床ずれ予防の基本中の基本は、定期的な寝返りです。同じ場所に圧力がかかり続けないよう、2〜3時間ごとに体の向きを変えてあげる必要があります。
我が家も、僕が仕事の昼休中に急いで家に帰ったり、妻が仕事の合間に様子を見に行ったりしながら、愛犬の体位を変えていました。
特に大変だったのが夜中です。僕は夜12時過ぎに寝て朝7時に起きる生活でしたが、その間にも体位変換が必要なため、深夜4時にアラームをセットして、眠い目をこすりながら愛犬の体をそっと動かしていました。
丸めたタオルやドーナツ型クッションを、頭や腰、お尻の下にそっと差し込み、同じ場所に圧がかかり続けないように支えます。
寝返りの目安は2~3時間ごとですが、最低でも就寝前・起床時・昼の3回は行うと安心です。
皮膚を清潔に保つためのスキンケア
寝たきりの子は、排泄物で体が汚れやすくなります。尿や便が皮膚に付着したままだと、アンモニアなどで皮膚がふやけ、炎症を起こして床ずれの引き金になります。
汚れた際は、お湯で湿らせた柔らかいタオルで優しく拭き取り、しっかりと乾かしてあげましょう。皮膚が乾燥している場合は、獣医師に相談の上、犬用の保湿剤で潤いを保つことも大切です。
また、皮膚が薄く傷つきやすい老犬には、市販の人間用ウェットティッシュでは刺激が強すぎることもあります。犬用のノンアルコールタイプを使うか、柔らかい布でお湯を含ませたものが安心です。
そして、最も重要な「環境づくり」
寝返り、スキンケア…これらは絶対に欠かせないケアです。しかし、「どんなに頑張ってケアをしても、愛犬が毎日20時間以上も過ごす『寝床』そのものが体に負担をかけていては、根本的な解決にはなりません。
硬すぎるベッドは骨の出っ張った部分を圧迫し、柔らかすぎるベッドは体が沈み込んで寝返りを妨げます。この「環境」の問題に気づいたことが、我が家の介護の転機となりました。
老犬の床ずれを防いだマットはこれ!PEPPY アルテアを選んだ理由

僕が、数ある介護マットの中から「アルテア」を選んだ決め手は、ただ柔らかいだけではない、寝たきりの子のための計算し尽くされた設計にありました。
このマットを使い始めてから、愛犬の皮膚は赤くなることなく、最後まで健康な状態を保てました。約2年間で床ずれゼロです。
これは、毎日の体位変換やスキンケアに加えて、「寝床そのもの」が変わったことが大きかったと思っています。
決め手1:相反する理想を両立した「Wクッション構造」
僕が探していたのは、骨の突き出た部分を優しく受け止めつつ、体が沈み込みすぎて寝返りの妨げにならないマットでした。この難しい条件をクリアしたのがアルテアの「低反発」と「高反発」を組み合わせた2層構造です。
・上層の低反発ウレタン:
まるでマシュマロのように、じんわりと体を包み込み、肩や腰などの圧力がかかりやすい部分にぴったりフィット。点で支えるのではなく、面で優しく受け止めることで、圧力を分散し、痛みを和らげてくれます。
・下層の高反発素材:
低反発だけだと体が沈み込みすぎてしまい、寝返りが困難になります。しかし「アルテア」は、下層にしっかりとした高反発素材を置くことで、過度な沈み込みを防止。愛犬の体をしっかりと支え、安定した眠りをサポートしてくれるのです。
決め手2:介護者の不安を解消する「細やかな配慮」
「アルテア」は、寝心地だけでなく、介護する側の視点にも立った細やかな配慮が随所に見られました。
・体のズレ落ちを防ぐカーブ形状:
マットの両サイドが緩やかに高くなっているカーブ形状。このわずかな工夫が、寝ている間に愛犬の体がズレ落ちてしまうのではないか、という私の不安を解消してくれました。
・季節を問わない快適さと肌への優しさ:
ウレタンマットの中には、冬場にカチカチに硬くなってしまうものもあります。しかし「アルテア」は、一年を通して変わらない柔らかさを保ってくれるため、いつでも快適な寝心地を提供できます。さらに、デリケートなシニア犬の肌に直接触れるカバーの表地が綿100%という点も、安心して選べる大きなポイントでした。
介護マット「アルテア」のサイズと価格
介護マット「アルテア」のサイズと価格は以下の通りです。
- Sサイズ(40L×60W×7H cm):9,790円
- Mサイズ(75L×50W×7H cm):13,310円
- Lサイズ(100L×60W×7H cm):17,500円
- LLサイズ(150L×100W×7H cm):33,560円
※価格参考:Amazon
僕が選んだサイズは「Lサイズ」。キャバリアは小型犬に分類される犬種で、我が家の愛犬ジャックの体重は6キロ程度でした。
体にピッタリのサイズを選ぶのであれば、Mサイズでも十分です。しかし、できるだけゆったりと快適な寝床になってほしいという願いから大きめのLサイズを購入しました。
価格は17,500円と決して安い買い物ではありませんでしたが、ゆったりサイズで楽々と眠る愛犬の顔を見ることができて、幸せを感じました。
実際に使って感じたリアルなメリット・デメリット

【メリット】
・愛犬の寝息が深くなった: 快適なのか、ぐっすり眠る時間が増えました。
・皮膚の赤みが出ず、健康な状態を保てた: 圧迫と蒸れが軽減されたおかげで、最後まで綺麗な皮膚のままでした。
・精神的安心感を得られた: 「愛犬に快適な環境を用意してあげられている」という事実が、僕の精神的な負担を大きく和らげてくれました。
【デメリット】
・高価な値段: 正直、お値段は安くありません。しかし、結果的に床ずれが悪化して動物病院に何度も通う費用や、高価な薬代、そして何より愛犬が苦しむ時間と、自分の心の負担を考えれば、これは「投資」だと確信しています。
・カラーバリエーション: クリーム色は上品ですが、汚れが目立ちやすいかもしれません。汚れが気になる場合は、マットの上に防水のペット用シーツを一枚掛けて使用してみてください。
まとめ:愛犬との穏やかな時間のために、今できる最善の選択を

老犬の床ずれは、飼い主さんの愛情や努力だけでは防ぎきれない、非常に厄介な問題です。だからこそ、日々のケアに加えて、愛犬が一番長く過ごす「寝床」という環境への投資が、何よりも重要になります。
愛犬が穏やかな表情でスヤスヤと眠っている姿を見られること。それが、僕たち飼い主にとって一番の幸せではないでしょうか。
今回ご紹介した「PEPPY アルテア体圧分散マット」は、老犬の床ずれ予防に本気で向き合いたい飼い主さんにこそ、試していただきたいアイテムです。
