
紐のないプルオンタイプのシンプルさと、ガシガシと履き込める頑丈さを兼ね備えた「ペコスブーツ」。90年代のレッドウィングブームによって、一度は手にしたという方も多いのではないでしょうか。
実は今、このペコスブーツが最新ファッショントレンドのなかで再び注目を集めています。Y2Kファッションのリバイバルや「ブーツインスタイル」の流行により、感度の高いスタイルを作るためのキーアイテムとして再評価されているのです。
この記事では、レッドウィング社が誇る「ペコス」の歴史や特徴を深掘りしつつ、2025年注目復刻モデル「8060」や、定番「8168」の魅力を徹底解説。さらに、後悔しないためのサイズ選びやメンテナンス方法までを完全網羅しました。
流行に左右されない普遍的な価値と、最旬のスタイルを両立させる「一生モノ」の選び方を、ぜひここで見つけてください。
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レッドウィング「ペコスブーツ」とは?

レッドウィング社の「ペコスブーツ」は、1953年に誕生したウエスタンブーツ型のワークブーツです。名称の由来は、アメリカ・テキサス州を流れる「ペコス川」。牧畜業・カウボーイ文化の中心地として栄えていた地域にペコス川が流れていたことから名付けられました。
当時のウエスタンブーツは、どちらかといえば礼装や乗馬向けの存在でした。見た目は美しいが、日常的な作業には必ずしも向いていない。

そこでレッドウィングは、ウエスタンブーツの履きやすさと、ワークブーツの歩きやすさ・耐久性を融合させた、実用品としての新しいペコスを設計します。
最大の特徴は、ワークブーツ特有の靴紐をなくした「プルオン仕様」。両サイドのプルストラップをつかんで簡単に履ける構造は、泥や汚れの多い環境下でも、靴紐が緩んだり、引っかかったりすることもありません。
こうして、装飾性よりも機能性を優先したペコスブーツは、過酷な作業環境でも確実に使える一足へと仕上がっていったのです。
レッドウィングのペコスが“特別”である理由

ペコスブーツを語るうえで見逃せないのが、「PECOS®(ペコス)」という名称がレッドウィング社の商標であるということです。
PECOS(ペコス)はレッドウィング社の登録商標であり、弊社以外の靴にこの名称を使用することは出来ません。日本国内でも商標登録がなされています。
引用:レッドウィング公式
ペコスは単なるプルオンブーツのことを指す総称ではありません。レッドウィングが生み出し、長年にわたって品質と歴史を積み重ねてきた、独自のブーツカテゴリーなのです。
流行に左右されず、合理性と耐久性を突き詰めてきたレッドウィング社のペコスだからこそ、他のブランドにはない“特別な価値”を感じられるのかもしれません。
ペコスブーツとNextトレンド「ブーツイン」

今後1年以内にやってくるトレンドを見据えるのであれば、ペコスブーツは間違いのない選択です。その理由は、Nextトレンド「ブーツインスタイル」のリバイバルにあります。
実は、昨年あたりからファッショントレンドに敏感な人たちの間で「ブーツインスタイル」が増えています。この流れの背景にあるのが、Z世代を中心に広がる「Y2Kトレンド(1990年代後半から2000年代初頭にかけて流行したファッションカルチャー)」です。
当時、「ギャル男ブーム」をきっかけにブーツインスタイルが大流行したあの時代の着こなしが、今また新鮮なスタイルとしてリバイバルしています。

現在は、ミドル丈のブーツにジョガーパンツをインするスポーティなスタイルや、ウエスタンブーツへの再注目など、より洗練された形で「ロングブーツ」がNextトレンドアイテムとして浮上しています。
つまり、ウエスタンブーツの派生であるペコスブーツは、この新しい波に乗るのに最適なアイテムであると言えるのです。
一歩先のファッションを意識した選択で、今のうちにペコスブーツを手に入れておけば、エイジングされた一足で「ブーツイントレンド」を楽しめるでしょう。
レッドウィング ペコスブーツ「現行モデル2型」を紹介!

近年、ペコスブーツは再評価の流れにあります。2025年秋冬シーズンには、名作として知られる「RW-8060」が復活。現在のペコスブーツのラインナップは、大きく二つの軸で構成されています。
- 伝統的な佇まいを受け継ぐ11インチ丈モデル(RW-8060)
- 日本市場の使い勝手を考慮した9インチ丈モデル(RW-8168)
ここでは、現行品のペコスブーツ2型の魅力を徹底解説していきます。それぞれ異なる特徴を持ったモデルになるので、モデル選びに迷ったときの参考にしてみてください。
【復活の名作】RW-8060 11インチ(ホーソーン・ミュールスキナー)
2025年秋冬シーズンに復活を果たしたRW-8060は、ペコスブーツの王道たる11インチ丈(約28cm)を持つクラシックモデルです。
このモデルの最大の魅力は、「ホーソーン・ミュールスキナー」というレザー素材。これは、オイルを豊富に含んだラフアウトレザー(裏革)のことで、新品の状態から既に深みのある色合いと風合いを持っています。
このレザーの特性は、履き始めからヴィンテージのような雰囲気をもたらすため、購入直後からエイジングの味わいを楽しみたい人に最適です。
また、ソールにはブラウンのケミガム・コルクソールが採用されており、高い耐久性を確保しつつ、グリップ力にも優れているのが特徴。約3cmのヒールを備えたソールは、白いトラクショントレッドソールよりもクラシックで重厚なブーツらしいシルエットを強調します。
履き込むほどにラフアウトの毛羽立ちが増し、唯一無二の色ムラが生まれる経年変化の過程は、愛用することによる“所有感”を満たしてくれるでしょう。
【日本別注の定番】RW-8168 9インチ(ホーソーン・アビレーン)
RW-8168は、日本市場の特殊なニーズに合わせて展開されてきた、街履きに最適な9インチ丈(約23cm)のモデルです。
伝統的な11インチよりも筒が短く設計されているため、着脱がとても簡単。これは、玄関や座敷での脱ぎ履きが多い日本のライフスタイルにマッチしています。また、筒の短さはふくらはぎへの圧迫感を軽減し、タウンユースでの快適性を向上させています。
このモデルは、明るいベージュのスエード素材「ホーソーン・アビレーン」を採用。ソールには、クッション性が高く歩きやすい白い厚底のトラクショントレッドソールが組み合わされており、全体としてカジュアルかつ軽快な印象を持ちます。
9インチ丈とベージュのカラーリングは、重くなりがちなワークブーツのイメージを払拭。ロールアップしたデニムだけでなく、フレアパンツやスウェットパンツとの相性も良く、最新のアメカジスタイルを着こなす上で最適な選択肢となります。
ペコスブーツ 現行2モデル比較表
ここまでで紹介してきた、「8060」と「8168」を、比較表でまとめてみました。
| 項目 | RW-8060 | RW-8168 |
|---|---|---|
| 丈(ハイト) | 11インチ(約28cm) | 9インチ(約23cm) |
| 位置づけ | 王道・復刻モデル | 日本別注・定番 |
| レザー | ホーソーン・ミュールスキナー (ラフアウト) | ホーソーン・アビレーン (スエード) |
| ソール | ケミガム・コルクソール (ヒール付き) | トラクショントレッドソール (白ソール) |
| ヒール高 | 約3cm | 約3cm |
| 印象 | シャープ・クラシック | 軽快・カジュアル |
| 履き心地 | 硬めで安定感重視 | クッション性が高く歩きやすい |
| 向いている人 | ・エイジングを楽しみたい人 ・ブーツインを重視したい人 | ・カジュアルな着こなしを楽しみたい方 ・着脱のしやすさを重視する方 |
どちらのモデルを購入するか迷ったときは、こちらを参考にしてみてください。
後悔しないペコスブーツの選び方3つのポイント

レッドウィングのブーツは、ソール効交換などのメンテナンスをしながら10年・20年と履けるのが大きな強みです。父親が履いたブーツを息子へ譲り渡すというように、世代を超えて愛用する方も少なくありません。
そこで大切なのは、後悔しないブーツの選び方です。ペコスブーツで見るべきポイントはたったの3つ。
- 丈(ハイト)で選ぶ
- レザーで選ぶ
- ソールで選ぶ
これら 丈・レザー・ソール の3点は、それぞれブーツの「見た目」「履き心地」「エイジング」に直結する重要な要素です。自分のライフスタイルやファッション観と照らし合わせて、最適な組み合わせを見つけてください。
丈(ハイト)で選ぶ:王道の11インチ vs 使いやすい9インチ
見た目の印象と実用性を大きく左右する最重要ポイントです。
ペコスブーツには 11インチ丈と9インチ丈 の2つのバリエーションがあります。それぞれ特徴が明確なので、用途やスタイルに合わせて選びましょう。
- 11インチ(王道): 伝統的なペコスらしい佇まい。ワーク感が強く、足全体のホールド感を重視したい人向けです。ブーツインスタイルなどクラシックなコーデにも最適。
- 9インチ(実用性): 街履きしやすく、細身パンツやロールアップしたデニムとの相性が良いモデル。脱ぎ履きのしやすさも魅力で、タウンユースが中心の方に最適。
レザーで選ぶ:風合い豊かなラフアウト vs 上品なスムース
素材の違いは風合いだけでなく、経年変化の方向性も左右します。
ペコスブーツは使用されるレザーで印象・育ち方が大きく変わります。代表的な2種類を比較すると次の通りです。
- ラフアウト(スエード類): 毛羽立ちのある質感で、汚れや傷すら“味”として楽しめる素材。初期段階から経年変化(エイジング)を楽しみたい方におすすめ。
- スムースレザー(表革): 光沢ある上品な表情が特徴。定期的なクリームケアでツヤを出しやすく、大人っぽい雰囲気を演出できます。手入れによるエイジングを楽しみたい人におすすめ。
ソールで選ぶ:歩きやすさ vs グリップ力
履き心地と耐久性のバランスを左右する重要な選択基準です。
ペコスブーツはソール次第で歩き心地が大きく変わります。主に次の2つが選択肢になります。
- トラクショントレッドソール(白ソール): 優れたクッション性で歩きやすく、長時間歩行や日常使いに向いています。タウンユースとの相性が良いタイプ。
- コルクソール系(ヒール付き): 耐久性・耐油性に優れ、クラシックなワークブーツらしい重厚感を楽しめます。ビンテージ感や伝統的な佇まいを求める方に最適。
知っておきたいレッドウィングの「サイズ感」と「お手入れ方法」

紐でフィット感を調整できないペコスブーツだからこそ、サイズ選びは慎重になる必要があります。また、長く履き続けるためには正しいケアが不可欠です。
購入してから困らないために、フィッティングの基本と、簡単なメンテナンス方法をあらかじめ知っておきましょう。
失敗しないサイズ選び!筒周りとワイズの注意点
レッドウィングのブーツは作りが大きめであるため、一般的に普段スニーカーで履くサイズよりも0.5cmから1.0cm小さいサイズを選ぶのが鉄則です。
サイズ選びの成功は「甲のフィット感」にかかっています。ペコスは足首での固定が難しいため、甲部分(インステップ)でしっかりと足をホールドする構造になっています。
そのため、新品の状態では、履き口から足を入れる際に甲周りが「少しきつい」と感じるくらいが理想的です。革は履き込むことで確実に伸び、特に甲の高さとワイズ(幅)が馴染むことで、脱げにくい理想的なフィット感へと変化します。
たとえば、普段27.0cmのスニーカーを履く人は、ペコスでは26.0cm(US8)〜26.5cm(US8.5)を目安に選んでみるといいでしょう。
ラフアウトレザーのメンテナンス方法
8060や8168に採用されているラフアウト(スエードやオイルドヌバック)の手入れは、スムースレザーとは異なり、非常にシンプルです。手入れの基本は「ブラッシング」であり、日々のケアで十分長持ちさせることが可能です。
ラフアウトの手入れでの注意点は、一般的なオイルやワックス成分を含むクリームを避けることです。これらの油分を入れすぎると、起毛が寝てしまい、ラフアウト特有の毛羽立ちや風合い、色ムラが損なわれてしまうためです。
推奨される専門的なケアは以下の通りです。
- 日常のブラッシング: 履いた後は、専用ブラシでホコリや泥を払い落とします。これにより、汚れが革の奥深くまで浸透するのを防ぎます。
- 汚れの除去: 固着した汚れや泥には、レッドウィング純正の「ラフアウト / ヌバック バー」(消しゴム型クリーナー)を使い、擦って汚れを落とします。
- 栄養補給: 油分補給が必要な場合は、起毛を寝かせないスプレータイプのデリケートスプレーなどを使用し、油分と防水効果を同時に維持することが可能です。履き始めに防水スプレーをかけておくと、汚れ防止効果が向上します。
この手入れ方法により、ラフアウトレザーは傷や汚れを味として取り込みながら、長年にわたって独特の風合いを維持し続けられます。
レッドウィング「ペコスブーツ」:まとめ

レッドウィングのペコスブーツは、単なる「紐のないロングブーツ」ではなく、1953年から続く歴史と実用性を兼ね備えた、完成度の高いワークブーツです。
2026年はブーツインスタイルの再燃により、あらためて注目すべきタイミングと言えるでしょう。
本記事の要点を整理すると、以下の通りです。
- ペコスはレッドウィングの登録商標であり、独自の価値を持つブーツカテゴリー
- 8060(11インチ)は王道の無骨さとエイジングを楽しみたい人向け
- 8168(9インチ)は街履きしやすく、日本のライフスタイルに最適
- 選び方は「丈・レザー・ソール」の3点を軸に考える
- サイズは1cm〜0.5cm小さめを基準に、甲のフィット感重視で選ぶ
トレンドを意識しつつも、10年先まで履ける一足を探しているなら、ペコスブーツは最適な選択肢になります。自分のスタイルに合ったモデルを選び、ぜひ“育てる楽しさ”を味わってみてください。

