
「この革靴、サイズは合ってるのかな…?」
そんな不安を感じたことはありませんか。特に30代を過ぎて、仕事でもプライベートでも上質な革靴を選びたいと思うほど、試着時の“正解”が分からなくなるものです。
スニーカーのように「少しゆとりがあればOK」とはいかず、革靴は試着方法を誤ると、足に馴染まず履き心地を損ねてしまいます。
本記事では、失敗しない革靴の試着方法を徹底解説。さらに、購入後に必ず知っておきたい革靴を長持ちさせるメンテナンス術も紹介します。
先に結論を言うと、革靴選びで最も大切なのは「試着の質」と「ケアの継続」です。正しいフィッティングと日常のケアを知れば、履き心地も見た目も一段上の印象となるでしょう。
革靴の正しい試し履き方法

せっかくいい靴を見つけても、自分の足にピッタリ合うものを選べなければ履きこなせません。必ず両足で試し履きをして、じっくりとフィット感を確かめましょう。
ここで紹介する、3つのポイントを押さえておけば、お気に入りの一足を見つけ出せます。
普段歩いているときのように自然な姿勢で試着しよう!

気になる靴を見つけたら、必ず両足の足入れをし、普段と同じ感覚で店内を歩いてみましょう。また、靴下の厚みもフィット感を左右します。もし、サンダルを履いて靴を選びに行くときは、普段履いている靴下を持っていくのがベストです。
このときに、踵(かかと)は浮いていないか、小指のあたり具合に窮屈感はないのかをしっかりとチェック。次に軽く前に体重をかけてみたり、踵を浮かせたりして確認します。
試し履きの際に少しでも違和感を覚えたら、その靴の形やサイズが合っていない可能性があるので、要注意です。
ボールジョイントの位置を入念に確認しよう!

ボールジョイントとは、足の親指・小指のつけ根を結んだ線のことです。この位置関係がフィッティングで最も重要なポイントになります。
ボールジョイントの位置が靴と合っていないと、歩きにくく感じることがあり、さらに靴擦れの原因にもなります。
そうならないために、ボールジョイントの位置を、手の指で押しながらフィット感を確認します。小指の側面全体が靴に当たっている状態がベストです。この部分はゆっくり時間をかけてしっかりチェックしましょう。
靴を履くときは必ずシューホーン(靴べら)を使いましょう!

靴を履くときに、足をそのまま入れてしまうのはNG。手の指を踵に突っ込んで履くのも同様です。
シューホーンなしで履いてしまうと、踵がつぶれてしまったり、型くずれの原因になったりします。
また、購入前であれば、お店の商品を傷つけてしまうことにもなりかねません。シューホーンを使った足入れは、試し履き時のマナーと心得ておきましょう。
靴がジャストフィットしている証拠は、履いた瞬間に「シュポッ」という音がすること。ちょっとキツイかなと思っても、この音が聞こえれば間違いありません。
一方で、踵がゆるすぎたり、シューホーンが抜けなかったらサイズが合っていません。履いた瞬間の「シュポッ」っという音が聞こえるまで、納得のいく試し履きを繰り返してください。
靴を長持ちさせる日常のメンテナンス

いい靴を履いても、そのまま放置は靴の寿命を縮めてしまいます。
以下の2つのメンテナンスは、多くの時間を使いません。日常的なメンテナンスが長持ちにつながるので、シューズケアはこまめに行いましょう。
- 履くときはシューホーンを、脱いだらシューツリーをイン
- ブラシとクリームのエイジングケア
履くときはシューホーンを、脱いだらシューツリーをイン

前述した通り、靴を履く際はシューホーンを使うのが鉄則です。そうすることで踵をつぶさず、スマートに靴を履けます。
外出先で携帯用シューホーンをサッと取り出して靴を履けば、スマートな印象を与え、周囲からの評価もアップするはずです。
また、自宅に帰ったときはシューツリーで保管すること。メリットは、以下の3つです。
- 革のシワが伸びる
- ソールの返りを防ぐ
- 湿気の吸い取り
大切な1足を長持ちさせるなら、シューホーンと、シューツリーの使用を習慣づけましょう。
以下に、おすすめのシューホーンと、シューツリーを紹介しておきます。ぜひ参考にしてみてください。
藤代工芸 選べる靴べら ロング スタンド セット
長さ約75cmのロングサイズの木製靴べらです。立ったまま腰をかがめずに靴を履けるので、足腰への負担を軽減できます。スタイリッシュなデザインで、玄関のインテリアとしても最適。 天然木を使用しており、うるし塗とナチュラル塗からお好みのタイプを選べます。
パオロ デザイン 靴べら RFSH-IP [並行輸入品]
イタリア人デザイナー、パオロ・ディッポリト氏による、デザイン性と機能性を兼ね備えたアルミ製の靴べらです。長さ65cmのロングタイプで、立ったまま楽に靴を履くことができます。1辺8cmのキューブ型スタンド付きで、狭い玄関でも場所を取らないのも嬉しいポイントです。
[コロンブス] 靴ベラ メタルシューホーンC
持ち運びに便利な折りたたみ式の靴べらです。 持ち手部分には、使い込むほどに風合いが増すイタリアンナチュラルレザー「ブッテーロ」を使用。 コンパクトなサイズなので、バッグやポケットに入れておけば、外出先でもスマートに靴を履くことができます。
[アム デ マス] 靴べら 栃木レザー SH-005
日本の職人が一つひとつ手作りで仕上げた、高品質な携帯用靴べらです。経年変化を楽しめる栃木レザーを使用しているのが最大の魅力。金メッキのリングが付いており、キーホルダーとしても使えるおしゃれなデザインに仕上がっています。
[DABLOCKS] シューキーパー シューツリー
革靴の型崩れを防ぎ、シワを伸ばすためのシューキーパーです。 素材には、一般的なレッドシダーよりも強度のあるブナを採用しており、吸湿・抗菌・防腐・消臭効果も期待できます。ニス光沢仕上げで、メンテナンスしやすいのも特徴です
[アールアンドケイズカンパニー] シューキーパー 木製
除湿・消臭効果に優れた高級木材「レッドシダー」を100%使用したシューキーパーです。2本のバネで伸縮するツインチューブ式と、靴先の幅に合わせて微調整できるサイドスプリット式を採用し、さまざまな形の靴にフィットします。
ブラシとクリームのエイジングケア

せっかく購入した上質な靴も、ノーケアでは見栄えはガタ落ちです。
靴にホコリやゴミなどの汚れが溜まってしまうと、革の劣化を早めてしまうので、ブラッシングで汚れを落としましょう。
ブラシには馬毛と豚毛の2種類があり、それぞれの主な役割は以下の通りです。
- 馬毛ブラシ:柔らかい毛で、お手入れの最初にホコリを落とすためのブラシ。
- 豚毛ブラシ:硬くコシのある毛で、クリームを塗った後に革に馴染ませ、ツヤを出すためのブラシ
靴磨きによる、革のエイジングを楽しみたいのであれば、馬毛と豚毛の2本持ちが理想と言えるでしょう。
さらに、革靴に軽くついたキズは、汚れを落としたあとに乳化性クリームを塗り込み、色を均一にすることで目立たなくなります。
これら、日常のシューケアの積み重ねこそが、靴を長持ちさせるための秘訣です。
いつまでも洗練された足もとを演出したいのなら、ブラシとクリームでこまめにメンテナンスしてあげましょう。
以下に、ブラシやクリームで迷いたくない方へ向けた「靴磨きセット」を紹介しておきます。ぜひ参考にしてみてください。
[サフィール] シューケア スターターセット シングルDX (PA-SANN)
靴磨きに必要な基本アイテムが揃った、初心者にもおすすめのセットです。保湿効果の高いみつろうをベースにした靴クリームや、革に優しいクリーナーなど、フランスの高級シューケアブランド「サフィール」の高品質な製品を手軽に試せます。
[DABLOCKS] 靴磨きセット
馬毛・豚毛など3種類のブラシ、靴クリーム、クリーナーがセットになった、コストパフォーマンスの高い靴磨きセットです。丁寧な手順書が付属しているので、初めての方でも安心して靴のお手入れを始められます。 高級感のあるギフトボックスに入っており、自分用だけでなく、プレゼントにも最適です。
まとめ

革靴を長く快適に履くためには、「正しい試着」と「日々のメンテナンス」が重要です。
この記事で紹介したポイントをおさらいしておきましょう。
■ 革靴を選ぶときの試着方法
- 必ず両足で試し履きをする:左右でサイズ感が異なることもあるため
- 普段歩いている姿勢で店内を歩く:自然な体重のかかり方を確認
- ボールジョイントの位置をチェックする:親指と小指の付け根が靴の曲がる位置と合っているかが重要
- シューホーン(靴べら)を使う:踵を潰さず、正しい足入れをするのが鉄則
■ 革靴を長持ちさせるメンテナンス方法
- 脱いだらシューツリーを入れる:型崩れ防止と湿気対策に効果的
- ブラシでホコリを落とす:馬毛で汚れ落とし、豚毛でツヤ出しが基本
- クリームで保湿とツヤをプラス:革の乾燥を防ぎ、美しいエイジングに
革靴は、手間をかけた分だけ応えてくれる相棒です。正しい試着とケアを身につければ、見た目も履き心地も“上質”な一足を長く楽しめます。


